スウェーデン、特にストックホルム観光の目玉の1つは入場無料(フリーエントリー)の博物館が充実していることでした。国立博物館や近代美術館などスウェーデンを代表するミュージアムもフリーエントリーを実施しており、お得にミュージアム巡りをできる街として紹介されることもありました。
しかし、2023年の政府予算で文化部門の予算が削減され、入場無料のミュージアムが次々に有料化しています。
Some of Sweden’s top art museums will no longer offer free admission to all following a new government budget plan for 2023 that reduces the amount the culture sector will receive.
引用元:ARTnews ”Sweden’s State-Run Museums to Stop Offering Free Admission Following New Government Budget” November 11 2022
ミュージアム有料化の背景
今回の有料化では、ミュージアムのフリーエントリーはミュージアムの常連や観光客にとってはお得なシステムですが、アーティストや美術館・博物館の振興という点では利益をもたらさないと判断されました。フリーエントリーに対する予算を削り、価値ある展示に予算を振り向けることになるそうです。
2022年に割り当てられた金額を10億SEK(スウェーデンクローナ)下回る額が2023年の予算となる見込みです。
対象となる美術館・博物館
国立博物館〜Nationalmuseum
2023年1月4日から入場料が有料になっています。
大人150SEK ※閉館90分前は100SEK
20歳未満は引き続き入場無料
子どもが楽しめる展示もあり、無料で本当にいいのか?と思うほど充実していました。
90分前の入館料がディスカウントされていますが、90分だとかなり早足で見て回ることになりそうです。
近代美術館〜MODERNA MUSEET
ストックホルムとマルメーにある近代美術館は毎週金曜日の18時から20時はフリーエントリーを実施していますが、それ以外は入館料がかかります。
大人 SEK150
年金受給者や学生 SEK120
20歳未満 無料
その他
2019年に訪問した海洋博物館や陸軍博物館もフリーエントリーから有料に変更されています。
入館料は大人SEK150前後が一般的なようです。
有料化の対象外と年パスについて
スウェーデンではプリスクールや学校で子どもをつれてミュージアムに行くことがあります。そういった事情もあるためか、基本的に子どもの入館料は無料のまま据え置かれています。
また、複数回訪問する場合は年パスを購入することで1回当たりの費用を抑えることができます。大体2〜3回訪問すれば元が取れるようになっている場合が多いです。この辺は日本の年パスと似ていますね。スウェーデン在住で何度も訪問する場合は年パスを購入するとお得になりますが、観光客には利用しづらいのが辛いところです。
今後の見通し
フリーエントリー廃止の流れは、アフターコロナで旅行者が戻る中で博物館や美術館にとっては逆風になるかもしれません。一時的には入館者数が減少すると考えられるので、それを補う魅力的な展示やイベントの企画が必要になるなど、取り巻く環境は厳しいものになっていくのではないでしょうか?