スウェーデン政府は、2024年11月からプラスティックバッグの課税を廃止する方針を発表しました。プラスティックバッグへの課税は2020年から導入されたものです。課税廃止は脱プラの流れに逆行する印象ですが、どのようにしてこの結果に至ったのか今までの流れをまとめてみたいと思います。
2019年までのスウェーデン〜プラスティックの大量消費時代
2019年ごろスウェーデンのスーパーでは、会計の時にお客さんはガンガン有料のプラスティックバッグ(ショッピングバッグ、レジ袋)を購入していました。“袋がないなら買えばいいじゃない?”と言わんばかりで、皆さん気にせず買っている印象でした。まとめ買いする人はショッピングカートを持参していますが、基本はその場でバッグを購入するのが定番でした。
北欧にエコのイメージを持っていた私は、躊躇せず有料のショッピングバッグを購入する人の多さに衝撃を受けました。
2020年以降、課税後に減少したレジ袋の購入量
スウェーデンの環境保護庁(EPA)によると、レジ袋への課税が導入される前年(2019年)のスウェーデン人一人当たりの年間レジ袋購入量は74枚でした。(2018年は100枚超なのでこれでも減ってます)1ヶ月あたり約6枚、買い物の度に購入すれば大体それくらいでしょうか。
こうした状況のもと、2020年にレジ袋課税が導入されました。
元々有料のレジ袋でしたが、SEK3.75が上乗せで課税され、従来の価格と合わせるとSEK6〜7程度になりました。2023年10月の為替レートで換算すると、1スウェーデンクローナが約14円なので、高いものだとレジ袋1枚が100円近くになります。日本よりゼロが1個多いですね。
課税後にレジ袋の購入量は一気に減少します。2020年から2022年までの年間レジ袋購入量は何と17枚!半分以下になりました。欧州連合(EU)は2025年までに1人あたりの年間消費量を40袋以下に目標設定しているので、EU基準から見ても半分以下になっています。驚くべき減少ぶりです。
2024年以降、課税廃止へ
一気に減らすと反動も大きいということでしょうか、結局2024年以降プラスティックバッグ課税は廃止されることになりました。
当然この流れに反対する声もあります。
日本でも似たようなことが起きたような・・
個人のプラスティックバッグだけを規制しても限界はあると思いますが、環境も大切。難しい問題ですが、今後どうなっていくのか見守っていきたいです。
※参考 ”Sweden’s right-wing government says it will turn its back on plastic bag tax” euronews.green 2023.9.14