プラごみの削減が叫ばれる昨今、ペットボトルを中心としたボトル飲料についてもリサイクルのシステムを上手く機能させることはとても大切です。
スウェーデンのリサイクルのシステムはどのようになっているのでしょうか?
PANTとは?
スウェーデンの空き缶やペットボトルのリサイクルシステムはPANT(パント)と言います。
ボトル飲料を購入する際にお金を徴収され、ボトルが回収されるとその金額がバックされる仕組みです。一種のデポジットですね。
ドイツ、デンマーク、ノルウェーなどの国も同様のスキームを運用しているそうです。
1.会計時、ボトルの大きさに応じて1クローナあるいは2クローナ支払う(飲料代に上乗せされます)
2.飲み終わったらスーパーなどにボトルを持参。回収機にボトルを入れる。バックされる金額が印字されたレシートを受け取る。
3.レジでレシートを提示してキャッシュバックを受ける
購入時にお金を取られているので、自分が買ったボトルでキャッシュバックされてもトクしている訳ではありません。支払った分がそのまま戻るだけなのでプラスマイナスゼロです。
回収機は、大きい店には複数台ありますが、小さい店には1台しかないので時折“パント待ち”ができることがあります。
基本的にはパントのキャッシュバックはレジでお会計する際にその金額分値引きされるという形で行われます。しかし、裏技?と言えるのかわかりませんが店員にお願いして現金で受け取っている人もいました。
ちなみに、購入した人と回収マシーンに持っていく人は別人でもOKなので、道端に落ちている缶やボトルを拾って持っていってもお金を回収できます。一部の人には貴重な現金収入にもなっているという側面があるのです。
PANTの歴史
スウェーデンが最初にパントを導入したのは1984年です。現在、缶と小型ボトルのデポジットは1クローナ、大型ボトルは2クローナです。
※1クローナ=約13円(2021年6月現在)
パントシステムは、Sveriges Bryggerier、Livsmedelshandlarna、及びReturpack Svenska AB によって運営されています。
スウェーデンでは、2016年にアルミ缶とペットボトルの 84.9% をパントシステムでリサイクルしました。これらは合計18億個の缶とボトルに相当し、1年間で1人あたり平均177個の缶とボトルがリサイクルされたことになるそうです。
ちなみに政府が設定した目標は、すべての缶とボトルの90%をリサイクルすることなので、かなり近いところまで来ていると言えるでしょう。
回収機で集められたボトルと缶はスウェーデン中央部のノーショーピングにある拠点に運ばれ、そこで毎年35,000トンの材料がリサイクルされ、新しいボトルに生まれ変わります。
PANTの注意事項
パントのキャッシュバックはボトルを回収し、レシートを受け取った店でないと受けられません。
同じチェーンや系列の店でもダメです。イオングループならどこでもWAONが使えますというような発想はなく、レシートを受け取った店でそのままキャッシュバックが基本です。
引っ越しの際にまとめてボトルを回収機に入れてレシートを受け取り、引っ越し先の近くでキャッシュバックを受けるということはできません。(やろうとして拒否されました・・・)
レシートの期限に関わらず、回収したらすぐに使ったほうが間違い無いと思います。