新型コロナウイルスの感染拡大防止など、諸般の状況の変化により記事内容と現状が異なる場合があります。最新の情報については公式ウェブサイトなどをご確認ください。

コロナ禍のスウェーデンでマタニティライフを過ごした体験談

スウェーデンライフ

Covid19が拡大するなか、偶然にもスウェーデンでマタニティライフを送ることになりました。最終的に日本で出産しましたが、妊娠期間の大半をスウェーデンで過ごすという、私にとってはとても貴重な経験になりました。当時は慌ただしく振り返る余裕がありませんでしたが、時間が経ち、当時の経験を記録として残しておきたいと思います。

手元にある当時の書類や写真、スケジュールなどを見てまとめておりますので、曖昧な点や現状とは異なる点もあるかと思います。個人の体験談としてお読みいただければ幸いです。

助産院を探す・予約する

まずは検診を受けるため、病院を探さなければなりません。スウェーデンのヘルスケアは1177.se(現地ではエルバフッティフーと呼ばれてます)から情報を得ることができます。

多言語対応で英語版もあるのですが、肝心なところでスウェーデン語のみになってしまうので、自身の拙いスウェーデン語とネット翻訳に頼りつつ調べました。

このように病院について検索できます※スウェーデン語です

スウェーデンでは妊娠が分かり次第、まずは助産師に診てもらうのが一般的です。1177.seで自宅近くの助産院を調べ、ネットで予約を取りました。

ネット予約に必須なのがBankIDです。

なぜ銀行?と思いますが、スウェーデンでは銀行で取得したBankIDを様々な場面で使用します。本人認証の必須アイテムです。

通訳を付ける権利

対象範囲など詳細は不明ですが、妊婦検診ではスウェーデン語を母国語としない人向けに通訳を付ける権利があるそうです。
(通院していた助産院で教えてもらいました)

ただし、新型コロナウィルスの影響で当時は機能していませんでしたが。。
母国語でないと微妙な部分を伝えるのが難しいので、使える場合は使ったほうが安心できると思います。

日本と異なる分業制、検査について

助産院で診てもらう・・と言っても、いきなり診察台で超音波を当てたりはしません。
基本的な問診(過去の妊娠や病歴など)の後、血液検査などを指示されます。

ここからは、定期的な検診やその他検査など私の受けた検査について紹介していきます。

検診内容は日本と比べて簡素ですが、一部を除き費用はかかりません。胎児の4D写真などプラスアルファはありませんでしたが、必要な検査は十分受けることができました。

血液検査

血液検査は検査専門の病院(センターのようなところ)を紹介され、助産院とは別の場所で行います。

診察内容についてはパーソナルナンバーで管理・共有されているので、紹介状などは不要。

私が受けた検査は、血液型や貧血など一般的なものだと思います。

検査会場でこちらが一から説明する必要はないのですが、私の時はなぜか手違いがあり(検査の担当者が項目を間違えたようです)検査を二度受けることになってしまいました。検査担当の方と話しているうちに「指示された検査項目と実際に受けた検査が何か違う・・」と発覚、助産院に再度出向き(電話でこの状況を上手く説明できる自信がなかったので)確認したところやっぱり違ってた・・という顛末です。

パーソナルナンバーで全て管理されているんじゃないのかーい!と当時は心の中で突っ込みましたが、最後は人が行うことなので確認は大切。そして、トラブル対応も考えれば自宅近くの助産院の方が安心だと感じました。

KUB〜出生前診断

地域や助産師により対応が異なる場合がありますが、私の場合は年齢を理由にKUBという検査を勧められました。勧められたというより「当然受けるよね?」というくらい自然な意思確認でした。
KUBは、日本でいう出生前診断に当たるもので、血液検査と超音波検査を組み合わせて、胎児の21トリソミーなどの可能性を検査するものです。

こちらの検査結果は助産院で伝えられました。

そして、これが後々の罠になっていきます・・。

助産院での検診〜超音波検診の罠とドタキャンのペナルティー

血液検査の結果は助産院で教えてもらいます。

そして、出生前診断のKUBは通常の検診とは別で結果が伝えられます。

私の場合、KUBの結果説明と超音波検診が同日に予定されていました
これが私の間違いの始まりだったのですが、KUBの結果説明はKUBの担当者、超音波検診は超音波専門の人、つまり全く別の担当者が行います。それぞれ異なる予約枠が設定されており、同日ながら全然違う時間に2つの検診が予約されてました。

同じ病院内で同日に複数診察が予定されていた場合、1つ目の診察終了後に続けて次の診察を案内してもらえると勝手に勘違いしていた私は、KUBの結果説明を聞き「終了です」と言われたため、何を思ったのかそのまま帰ってしまったのです。

帰宅後、「そういえば、超音波検査は?」と気づき確認したところ、KUBの結果説明が午前、超音波が午後に予約されていたことが判明。そして、超音波は超音波専門の検査業者が行う旨の手紙が来ており、同日・同じ場所でありながら全く独立した検診であることが判明したのです。(助産院は場所だけ提供するから、超音波検査は自分で検査業者と予約を調整して受けてねというスタンス)

結果的に、超音波検査を無断ですっぽかしたことになりました。

間違いに気付いた後、謝罪・予約を取り直し、後日無事に超音波検査を受けることができたのですが、無断キャンセルにはペナルティが発生しました。

ペナルティとして、後日200クローナの請求が来たのです・・。

スウェーデンの医療費は基本的に無料ですが、ドタキャンなど迷惑を掛ければペナルティが発生します。(コロナなど例外もあります)予約はきちんと守りましょう・・。

検診にかかる費用について

検診にかかる費用は基本的に無料です。

ただし、薬の処方や上記のようなペナルティーは別途費用が発生します。

私の場合、高血圧予防のための薬が処方され、また鉄が足りないのでサプリを摂取するよう勧められました。医療費無料で有名なスウェーデンですが、この薬代とサプリは自費です。(薬代は上限があります)

薬やサプリは薬局で購入できます。

サプリの購入について

薬は処方箋に基づくので間違いはないのですが、サプリは様々なものが店頭に並んでいます。
どれを購入するか迷ってしまいますが、「病院で鉄のサプリを勧められた」と伝えると、奥から店頭にはない別のサプリを用意してくれました。店頭の鉄を謳うサプリは一体何なんだ?と思いましたが、迷ったら店員さんに聞いてみるのが間違いないようです。

緊急時の対応

緊急時の対応は、まずはかかりつけの助産師に相談し、必要に応じて病院に行くことになります。場合によっては、いきなり病院に行くと受けてもらえないかもしれません。

私も一度、病院で診てもらうか難しい判断の時がありました。助産師に相談した上で病院に行ったのですが、受付まではスムーズに済んだものの、そこから6時間以上待ちました

当時は自分の順番がどうなっているのかなど全く見通しの立たない状況だったので、次第に本当に診てもらえるのか不安になってきます。最終的に通りすがりのスタッフの方を捕まえて、今どうなってるのか確認した辺りから状況が動き出しました。ただ座って待っていたらどうなっていたかは正直わかりません。

当時、世界はすでにコロナ禍でしたが、スウェーデンのノーガード戦法は日本でも有名になっており、時折心配の声を聞くこともありました。リモートの徹底と公共交通機関のガラガラっぷりに正直そこまで不安を感じず普段はノーマスクで過ごしていましたが、病院では一応マスクをしました。

しかし、肝心の医者は全然マスクをせず、患者だけがマスクしているという不思議な状況になっていたのが印象的です。※2020年春ごろの話です

日本に帰国するにあたって紹介状をもらう

日本の病院で受け入れてもらうには紹介状が必要でした。病院への紹介状はa letter of referenceと言うのですが、日本の病院が望むような形でレターをもらえるのかが気がかりでした。

助産院では、「日本で出産するにあたり検査結果などがわかるレターを出してほしい」とお願いしました。これで応じてもらえたのですが、実際に手元にきたものはカバーレターは英語で、検査結果は全てスウェーデン語!検査結果はパソコンから打ち出したデータをそのまま渡されたのでスウェーデン語そのままなのも仕方ないのですが・・。ちなみに、日本の紹介状のように封緘されてないので全部読むことができました。

帰国まで時間もなかったので、最終的に私が重要と思われる場所を日本語と英語で補記するという荒技でいただいた紹介状をそのまま病院に提出しました。(一応、日本の病院の先生には予め話しておいたのでこのやり方でもOKでした)

まとめ〜スウェーデンでのマタニティライフを振り返って

コロナ禍ということもあり制限はありましたが、休日は徒歩圏内の公園に散歩に出掛けてリフレッシュしたり、体調が思わしくない時は家族がフレキシブルに動ける環境だったので比較的安心して過ごすことができたと思います。

唯一、辛かったのが食べ物。食べたいものがあっても手に入らず、かと言って自分で作る元気もない時はひたすら我慢・・という生活はちょっと大変でした。

病院など勝手がわからず戸惑うこともありましたが、費用が基本的に無料で検診を受けられるという安心感は大きかったです。

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