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バルト海の汚染問題について

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スウェーデンはバルト海やボスニア湾に面しており、地図を一見すると海産物が豊富なのでは?という印象を受けます。

ところが、このバルト海の汚染は深刻で食べることはあまり推奨されていません。特に子どもや妊娠中、妊娠適齢期の方は食べないように!と注意されるほどです。

バルト海は狭いスカゲラック海峡を通じて北海にしか通じていない閉鎖性海域であり、海水が滞留しやすく水の入れ替えが少ない。このため、周辺の汚染物質も滞留しやすく、1950年代より徐々に環境が悪化し始め、1970年代には汚染はピークに達した。1977年以降、1993年初頭までの間、北海からの塩分濃度の高い海水の流入がほぼ止まったため、汚染はさらにひどくなった。このころにはフィンランドやスウェーデンでは汚染対策が進展したのに対し、ソヴィエト連邦およびポーランドにおいては汚染対策が遅れ、とくにフィンランド湾やリガ湾、グダニスク湾などで水質汚染と富栄養化が進んだ

引用元:ウィキペディア「バルト海」より

このようにバルト海の汚染は1950年代から始まり深刻なものになっています。

また、スウェーデンのヘルスケアについてのホームページ1177(エルバフッティフー)ではバルト海や湖のニシンなどの魚に対して、ダイオキシンやPCBなど有害物質が含まれている可能性が高く摂取量の制限を注意喚起しています。

Livsmedelsverket(Swedish Food Agency)のホームページには胎児や子どもへの影響など様々なことが書かれており、“子どもや若年者、妊娠中、もしくは適齢期の女性は特に年2〜3回に制限した方が良い”とあります。いっそ食べるのを禁止した方が早いと思うレベルです。

参考:Livsmedelsverket “Dioxins and PCBs in Swedish food

このようなバルト海汚染問題があるので、スーパーなどで見かける魚はほとんどノルウェーや他国からのものになってしまいます。

ニシンなどスウェーデン産と思われる時もありますが、それはそれで食べるのが怖かったり・・

スウェーデンでは秋にバルト海と反対側のヨーテボリでロブスター漁が解禁されますが、ストックホルム市内のスーパーまでは回ってこずカナダ産のロブスターが売られているほど、スウェーデン産のシーフードは縁遠いものとなっています。

バルト海の汚染については継続して調査が行われており、時折ニュースになります。バルト海やボスニア湾に面したエリアでサンプリングを行い、一部では状況は改善されつつあるという報告もありますが、まだまだ予断は許さない状況。環境に配慮した取り組みの継続が必要だと痛感します。

参考:svt NYHETER 24 juli 2020 “Syrefattigt vatten från Östersjön sprider sig in i skärgården

スウェーデン、フィンランド、ロシア、バルト三国などに囲まれたバルト海

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