スウェーデンでイースター休暇を利用してオランダに旅行に行くとき、スウェーデンの人に「Netherlands(ネザーランド) に行く」と言うと、「どこ?」と分かってもらえないことがありました。
最初は私の発音が悪いから?と思いましたが、どうも違う。そういえば観光地などを調べた時にHolland (ホラント)と書いてあるのを目にしたので、試しにそう言ってみると・・通じました!ヨーロッパ(スウェーデンの一部限定かもしれません)では、オランダの国名はネザーランドよりホーランドの方がメジャーなのかと衝撃を受けた出来事です。
イースター休暇でどこに行きますか?
(オランダだから・・)the Netherlandsです。
えっ・・??どこですか???
えっ・・じゃあ Holland・・?
OK!良いところですね!
the Netherlands と Holland の違いは?
私が学生の時、オランダの英語表記はThe Netherlandsと教えられた記憶があります。日本人にとってはオランダ=ネザーランド、もしくはネーデルラントの印象が強いのではないでしょうか?日本にもニホンかニッポンなのか?問題がありますが、オランダの方が両者とも全然似てないだけに不思議な感じがします。
両者の違いは何なのでしょうか?
Holland
元々、Hollandはオランダの一部を指す名称でした。
Hollandは同国に12ある州のうち、首都アムステルダムを含む北ホラント州とロッテルダムやライデン、ハーグを含む南ホラント州の2つを指す名前にすぎない。19世紀にはこれらの都市が同国の経済の原動力であったことから、この地域を指す名前が非公式の国名として使われるようになった。
引用元:Forbes Japan「オランダ、国名の通称「Holland」の使用を廃止」(2020/01/17 )
オランダ経済の中心地域の名前がHollandだったため、それがそのまま定着してしまったのでしょう。これって、中心エリア以外に住んでいる人からするとHollandと呼ばれるのを快く思わない人もいそうですよね。
2019年のオランダ旅行はアムステルダムやライデン、ハーグを巡る旅だったので、結果的に「Hollandに行く」ので正解でした。
the Netherlands
オランダ全体を表す国名が、こちらThe Netherlandsです。
オランダ大使館のホームページによると、オランダの正式な名称はThe Kingdom of the Netherlandsです。日本語にするとオランダ王国となり、オランダ王国には1人の王様を君主とするオランダ、アルバ、キュラソー、シント・マールテンの4つの構成国があります。Netherlandsが複数形なのもここに理由がありそうです。
そして、オランダ政府は2020年に「the Netherlands(ザ・ネザーランズ)」を公式に使用することを決定します。Hollandの名称はあらゆる媒体から削除されるそうです。
オランダ政府は今年1月1日付で、国名の通称である「Holland(ホラント)」の使用を廃止した。「Holland」の使用をやめ、英語では「the Netherlands(ザ・ネザーランズ)」となる公式名に切り替えるというこの決定は、国際社会でのオランダのイメージや観光客の流れを管理するために新たに始められた大規模なブランディング活動の一環だ。オランダは今年、サッカーの欧州選手権や歌謡祭のユーロビジョンといった大きな国際イベントの開催地となるほか、東京五輪への参加も控えている。
引用元:Forbes Japan「オランダ、国名の通称「Holland」の使用を廃止」(2020/01/17 )
ちなみに、IOC(国際オリンピック委員会)のオランダのページはNetherlandsと表記され、略称もNEDとなっています。
Holland消滅?
我が家がオランダを旅行したのは2019年でしたので、当時はアムステルダム周辺はHollandの文字が多数使用されていました。アムステルダムは元々Hollandエリアだから余計にそうなるのかもしれませんが、the Netherlands の方がマイノリティな扱いだったと思います。
ただ、2020年以降Hollandが完全になくなるのか?と思いましたが、我が家が訪れたキューケンホフの公式ホームページには未だにHolland表記が残っているので「その身尽きてもその魂は死なず」ということなのかもしれません。