日本では2019年10月から消費税が一部を除き8%から10%に引き上げられました。
スウェーデンの消費税は25%と高く、それにより福祉国家を実現していることは有名です。
日本の消費税増税のタイミングに合わせて、スウェーデンの消費税事情について紹介したいと思います。
税率について
スウェーデンにもいわゆる軽減税率が存在します。
消費税率(スウェーデン語でmomsと言います)は25%、12%、6%の3種類です。
税率25%
- 日用品全般
- 水道水(ボトルウォーターは12%だけど、水道水は25%)
- DVD、音楽ダウンロード、ストリーミングなど
- 美容関係
- ペット関係
- ・・・etc
基本的には全ての商品、サービスは税率25%というスタンスです。
しかし、下記の商品・サービスについては軽減税率が適用されます。
税率12%
- 食料品
- ノンアルコール飲料、ボトルウォーター、ライトビール
- キャンプ関係
- レストラン、ケータリング
- アート作品
- ホテルなどの宿泊料金
- 自転車、靴、革製品、洋服、布製家庭用品(リネン類)の修理
税率6%
- スポーツ関係
- スウェーデン国内の電車、飛行機、バス、タクシー料金
- 本、雑誌、ノート、地図など
※印刷物と同等の電子書籍(e-book)、新聞の電子版も対象 - 劇場、バレエ公演の入場料
※映画館を除く - 音楽関係、コンサート公演の入場料
- 博物館、ミュージアムの入場料
- 公的支援のない図書館の活動
- 動物園などの入場料
- 版権関係
電子書籍については以前は税率25%でしたが、2019年7月より軽減され紙媒体と同様6%になっています。
タックスフリー
- 不動産売買、賃貸
- 医療(ヘルスケア、処方薬など)
- 福祉(子ども、高齢者、障がい者などのケア)
- 銀行業務(預金、融資、送金など)
- 保険
- 教育
- 郵便
税率まとめ
基本税率は25%と高いものの、軽減税率の対象品目は意外と多い印象です。
- 食料品、レストラン、宿泊料金は12%
- スポーツや文化的な活動については6%
- 公共の福祉に当たるものは免税
大まかに分けると、このようになります。国として何を大切にしているのかが垣間見えてなかなか面白いです。
キャンプ関係に軽減税率が適用されているところは、自然豊かなスウェーデンならではだと思います。
これらの税率はスウェーデンの税務署Skatteverketのホームページを参考にしました(2019年10月1日現在)
例外も多数ありますので、詳しくご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
ちなみに、複数の税率の商品を扱うお店(スーパーなど)で買い物した場合、レシートにはこのように表示されます。
また、レストランやカフェは基本的に税率12%ですが、例外があります。
この例外を適用すると、所謂レストランはほとんど税率25%になってしまうのですが、詳しくは次でお話したいと思います。
アルコール度数が分かれ目?軽減税率の適用除外
スウェーデンで外食をすると、お店によって消費税率が違うことがあります。
税率が違うのは、テイクアウトやイートインだからではありません。
お店ごとに違うのです。
その基準となっているのが
提供するアルコールの種類!!
- ソフトドリンクやアルコール度数の低いライトビールのみ提供する店・・税率12%
- ワインやスピリッツなどアルコール度数の高いものを提供する店・・税率25%
このように店で提供するアルコールによって税率が変わるのです。
スウェーデンではアルコール度数に応じて、その販売に一定の規制がありますが、外食にもアルコール度数が影響しているのは驚きです。
スウェーデンでのお酒の販売についてはこちらをご覧ください。
本格的なレストランには大抵ワインや強目のお酒が置いてあるので、軽減税率が適用されません。
国が違うと税金の扱いも随分違います。
外食に関しては、スウェーデンはアルコール、日本はテイクアウトが消費税率の境目と言えそうです。