ロックダウンしない国・スウェーデンのコロナ政策が岐路に立たされています。
外出制限や小学校の閉鎖などを行わない“緩い“政策に賛否両論でしたが、高齢者施設を中心とした死亡者数の増加により、政府がこれらの状況をコントロールできると信頼する人々の割合が減少しています。
スウェーデン国内での調査によると、政府がコロナに対して適切に対処できると信頼する人の割合が4月の63%から6月には45%にダウンしました。
個人的には、ダウンしたと言いつつも半分近くは一応信じてるのだからすごいと思います。
死者数などの数字を見ると、スウェーデンよりも上手く危機を乗り切っているはずの日本より信頼されてる気がするのは気のせいでしょうか・・?
参考:svt Nyheter 4 juni 2020 “Förtroendet för regeringen och Folkhälsomyndigheten rasar i ny undersökning”
スウェーデンのコロナ政策のキーパーソンである疫学者のTegnell氏もコロナが流行り始めた当初はスウェーデンの独自政策に自信を持っていましたが、今はトーンダウンしています。
「スウェーデンが今までに取ってきた“緩い”政策とロックダウンして厳しい対策を取った他国との中間くらいが望ましかったのではないか?」
振り返って自己批判しています。
参考:sverigesradio 3 juni 2020 “Tegnell: Fler åtgärder hade behövts”
“More measures to stop coronavirus may have been needed, Tegnell admits”
「中間が良かった」と言う当たり、Lagom(適度な)を大切にするスウェーデンぽいなと思いましたが・・何が正しくて、何がダメなのか、後世の人たちは判断することができても、渦中にいる時は難しいもの。
「ベルサイユのばら」でも、フランス革命で処刑されたルイ16世がこんな言葉を残しています。
安全な場所から人を非難するのはたやすいことだ
引用元:池田理代子「ベルサイユのばら」
いままでだれもわたしとおなじ立場に立たされた者はいなかった・・
外野はいくらでも言いたい放題言えるけど、当事者になると色々難しい事はあると思います。
人口約1,000万人に対して約4,500人の死者数(スウェーデンより人口が10倍近く多い日本の死者数は900人)など、スウェーデンの数字が悲惨なのは事実。しかし、ロックダウンしない緩い政策により、市民の幸福度は高く保たれている可能性もあります。
数字上は優秀と言われているのに自粛警察が出動したりと、何だかギスギスしている日本と、緩い雰囲気のスウェーデン・・一概にどちらが良いのか決め付けることもできないのかもしれません。